温暖な気候と豊かな自然に恵まれた播磨灘。
穏やかな海に浮かぶ大小40余りの島嶼からなる家島諸島は、家島本島、坊勢島、男鹿島、西島の4島を中心とした地域です。
島には豊富な石材が存在しており、これらを切り出す採掘業と切り出した石材を船で運ぶ海運業が島を支える一大産業であり、その規模は世界に誇れる一つのブランドでもあります。
大小を問わず幾多の船が往来するこのエリアの中でもひときわ異彩を放つのが、「ガット船」と呼ばれる巨大な建設資材運搬船です。
家島地域は石材の産地としても名高く、古くは大阪城の基礎となる石材を提供したほか、地の利を生かして色々な貨物を運ぶ海運業が発達しました。
家島本島の地形を上空から見ると、蝶が羽根を広げたような形をしています。
その中心部分は深く内陸に入り込んでおり、ひとたび入り江に入れば「まるで家の中に居るように静かだ」と称されるほど波の穏やかな港を持つ事が特徴です。
“天然の入り江“でありながら、これほどまでに船舶の停泊にとって環境の良い地は日本広しと言えども家島だけであり、海運業が大きく栄えたのは、大消費地の阪神地区に近く島内に良質の石材類が産出されるためと言えます。
昭和35年頃、機帆船から鋼船(ガット船)化するとともに、石船、砂船、砕石船が家島地域の主力船となっていきました。
その後、高度成長期に支えられ海運業が島内産業の柱として大躍進を遂げるとともに、島の発展に大きく貢献しました。
また、平成7年に発生した阪神淡路大震災では復興活動にも尽力し、3年はかかると言われていた復興期間を1年に縮めるほど貢献した実績はあまりにも有名です。