船で家島諸島へと向かう際に、
切り立った崖山が印象深い光景に出会います。
家島諸島では島を切り崩し、「花崗岩(かこうがん)」と「安山岩(あんざんがん)」の二種類を採掘しており、その採石跡が島の光景の一部となっているのです。家島では発破をかけて岩山を切り崩す採石方法が主に用いられ、最盛期には年間約1,300万m3※の採掘量を誇っていました。
採取された岩は砕石場に運ばれ、用途に応じたサイズに粉砕された後、主に京阪神や山陽方面に向けて出荷されています。
またこれら石材の運搬は、島を切り崩してできた地を全長約8.5m高さ約4.5mもある32t車や全長約9.4m高さ約4.4mの46t車が往来し行っています。丁場からガット船までの道のりを最短距離で移動できる強みを活かし、納期短縮とコストの削減を実現しました。
生産から加工、運搬までの工程を島内で請け負う事が出来る家島諸島。現在でもその豊富な資源と技術力は健在であり、島内には石切場での発破音が響いています。

※家島船舶協同組合調べ

島内での採石は記録に残されているだけでも100年以上の歴史をもち、男鹿島と西島では現在も採石を行っています。
家島湾入口近くの男鹿島では主に「花崗岩」が採石され、その石質は強度に秀でており、 建設資材に最も適した粒子で構成されているのが特徴的です。
また西島では「安山岩」の採石が行われ、豊富な石材資源は年間約100万トンの出荷量を誇っています。
近年では自然環境にも配慮し、ベンチカット方式で採石した後、植樹を行い景観再生にも努めています。
花崗岩、安山岩ともに建築資材に最も適した岩脈が豊富に見られる家島諸島。
これら資源を惜しみなく供給し続ける島の想いは、「人々の生活を豊かにしたい」その一心で遥かな歳月を歩んでいます。